Waffenfabrik Kashima 鹿嶋工廠総務部

総合同人サークル「鹿嶋工廠」ブログ、第三次移転予定地です。

鹿嶋「これは何かの間違いだ」――アオシマ・ルガーP08レポ


存在しないはずの金が手に入ったので
前から気になっていた青島文化教材社(ああ、こんな名前だったっけ)の
BBアクションガンシリーズを買ってみました。
はまぞうはあえて貼りません。何故かは以下のレポを見れば解ると思います。




価格帯はニュー銀ダンと同じ。対象年齢8歳。ニュー銀ダンより一歳上向け。

イマイ社の元金型を受け継いで生産されたものであり、
チープガン業界ではよくあることらしい。

模型メーカーでありトイガンメーカーでないことが災いしたか
行きつけの模型店以外で目にすることはなかった。

パッケージはこんな。
ギミックや性能について一切説明がなく商売意欲の無い箱。
見た目大陸の固定ガスガンか若しくは何かの間違いなのだが、


そこに書かれている字は紛れも無い日本語
・・・そして模型マニアには見慣れたあの「アオシマ」のロゴ。


そんなこんなあって今回購入したのがこの、ルガーP08。
普通のスライドじゃ予想が出来て面白くないので、これを選んでみました。
ルガーは丁度持ってないしね。
ふん・・・まぁね。色がついているなんてこれっぽっちも思ってませんでしたよ。ははは。

だがこの梱包は何だ。
箱を取った瞬間から「ガタッ」とか「バタッ」とか中で暴れてましたが
あんたらそれでもプラモメーカーですか。
発泡スティロールないしビニールに包まれててもいいじゃな・・・



あれ?
・・・・・なんか小さくね?

うん、小さい。
ルガー細いよーびっくりするほど細いよーとは聞いてますが
こんな細いものなのか・・・?



ルガーP08の4インチの全長は約22.3cm。
こいつは約18cm。お手元のGUN誌の横幅と同じです
約一回り小さいのね。
今時デフォルメトイガンっすかと馬鹿にすることもしませんでした、
少なくとも、開けた瞬間は。

モールドは・・・間違ってはない。
シンプルなプロポーションであることもあり、
「だいたいあってる」といってよろし。
塗装してないからヒケが凄い目立つね。塗りてぇ。
グリップ後部にストック取り付けラグがあるなぁ。全く以って実用性は無いと思うが。

チェッカリングも良。手のひらに刺さるようなものでもなし。

特徴的な三日月トリガーの上弦部分がなんか厚いのもここはご愛嬌としましょう。
然し、トリガーの空引きでもう嫌な予感がする。
安全装置は見当たらなく、説明書にも記載されていない。

マニュアルセフティもマガジンキャッチもテイクダウンレバーも動かないしレバー周りだけなんだか粗いけど、値段的に仕方ない。
右側のビス痕も許そう。逆に分解しやすいからよし。


マガジン。割り箸タイプ。
だが、引き出し式なのも含めてもさほど問題ではない。
このマガジン、フォロアーをロックする機構が存在しないため、
フォロアーを指で押さえながらいれなくてはいけないのだ。
装弾数は8発。実銃と同じ。
本物より少なかったらキレるけど。



上面。 これはひどい
エキストラクターはモールドすらなく、ありえない突起があり、
合わせ目どころか接着剤がはみ出してる。
すっごく荒目鑢をかけたい気分にさせる。


アサイト。判別不能
もっと高くても作動に支障はない筈なのだ。

バレルクラウン。でかいバリ発見。
ネジで分解できそうは前言撤回。
バレルクラウン部が接着してある雰囲気。
マルイの旧エアコキを分解するのと同じ方法が必要みたい。




・・・兎角、実射と参りましょう。
自宅二階寝室に設けた実測距離3mのシューティングレンジ。
プリンキング・ターゲットを東京マルイ製プロターゲットに挟み、
P08のマガジンにマルイの0.12gBB弾を8発装填。

確かにBB弾は付属はしていたものの、バリとパーティングラインが目立つ仁丹のような黒い弾で、こんな弾で精度が出る訳ない、とマルイさんのちゃんとした弾を使ってあげようと思った。短なる銃に対する良心。


ついでに、比較用としてマルイさんが2年の歳月を経て完成させた傑作、
ニュー銀ダンポリスピストルSSにも同弾を同じく8発装填。
もちろん俺の所持するのはチルノカラー。





さて、スライドを、引くか。


・・・この何かの間違いのアオシマルガーが、
あの複雑なP08のトグルが再現されてるわk・・・

んぁ、引けた・・・
流石にチャンバーブロックの後退はしないようですが。
逆にこの値段でそこまであったら凄いか。


チャンバーがある部分にあるスプリングはトグルを戻すためのバネらしい。

嫌な予感がして、トグルを素早く閉鎖。
パシャッ。
・・・ん?

なんか、外見と裏腹に心地いい閉鎖音。
いいかも。

P08は片手用なのでという雑学を交えながら、左手を添えずに真っ直ぐ保持。
3m先のターゲットの中央にサイティングし、射撃。

「パチンッ」
プラスティックがプラスティックを叩く音、バネの振動。
これだけ聞くと100円だ。損した気分になる。

んで3m先のターゲットを見ると・・・当たっていない。
オレンジ色の軽い弾が斜め右に飛んでいる。
まるで六八しk・・・否、密造された悪いライセンス拳銃のようだ。

結局3マガジン分、24発撃ったが、8発しか当たらない。
3mからグルーピング*1が14cm以上。これは何かの間違いがが。


対してニュー銀ダンはP08より数段垢抜けたいい音を響かせ、
同じ片手と言う条件下で3mの標的に
約2cmという優れたグルーピングを見せます。

ウチには弾速測定器は無いから何ともいえないが、
もしやニュー銀ダンより初速は遅くなかろうか。


と思いバレルをよーく見てみると


伯爵「何だこれは!」

銃身が・・・・中央で割れて・・・まさか!!
と思いバレル上部に蛍光灯を当てると、隙間から光が。

そう、なんとアウターバレル=インナーバレルだったのだ・・・・!
これでは精度が出るわけが無い(当社調)。

さらに、トグルを引いて露出したピストンを見ると、先端にはストライカーが。
「何・・・だと・・・!」
そしてこの銃にチャンバーもピストンも無く、
マガジンリップに固定された弾がストライカーに直接弾かれて飛ぶタイプなのだ。


ようやく鹿嶋は気づいた。
これは銀玉鉄砲なのだと。


言い換えれば、トグルをコックした後からマガジンを挿入しても撃てるし、
コッキングした後でもマガジンを抜けば弾は出ない。
安全っちゃあ安全。かな?


試しに、うちのWW2独軍小火器群と並べてみた。

(左から)
マルシンガスブローバック、R712嬢
アオシマ、ルガーP08
マルシン固定ガス、シークレットエージェントPPKさん
東京マルイ、ニュー銀ダンちゃん(改造待ち)



ううん。アオシマルガーにも(改造待ち)を付けよう。
折角だから分解してから改造してしまおう。



うーん・・・アレだ。アレでいこう。
キャ○ムショットの「仮称イリーガル」ってありましたよね?

この前貰った塩ビ管を使ってサプレッサー的なものを作って
仮称ならぬ「"偽称"イリーガル」なんてのを作りましょうかねw
性能は諦めたから、あとはネタに走っていこうと。


勿論、ルガー部分は「見られる程度に」大改修していきますがな。
トグル部の補強から始まり、エキストラクターのモールド貼りやリアサイトの新造、
各部の合わせ目消しから・・・
全塗装まで。

然しここまで来てリアルなのは装弾数のみというね。
・・・まさか、別のモデルを作るわけでもないのに資料が必要だとは。




まとめ

悪く言うつもりはないが、とても万人にはお勧めできない。

ごめんなさいアオシマさん。

以上。


ご静読有難う御座いました。
鹿嶋赦虹でした。

工廠としては、悪い買い物ではなかったです。
安かったし(フォロー)。

*1:Grouping=集弾性。弾丸がどれだけばらけて着弾するかを示す言葉。例えばグルーピングが50mで5cmの銃ならば、50mの距離で複数発撃った弾の着弾点が、直径5cmの円で囲えるサイズということ。着弾した場所が、実際に射手が狙っている点から著しく離れていても、弾着がまとまっていれば、それは集弾性が高い銃と言われる。よって、集弾性と命中精度とは別である。